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2004/05/05
「シリア 〜導入編〜」 実は、連休中、榛葉議員はシリアに行っています。 なぜシリア?と思われるかもしれませんが……。今回は外から見たシリアはどんな国かということで政策秘書が「導入編」を担当します。“中から見たシリア”については本編で議員がたっぷりと書いてくれることでしょう。 さて、いきなり「シリア」と言われて何を思いつきますか? 「中東のどこかの国ですよね」 ――そうです。トルコの南でイラクの西、東は地中海に接していて、レバノン、ヨルダン、イスラエルと国境を挟んでいます。 「何語を話すのでしょう?」 ――アラビア語が話されていますが、同じアラブの国でも、やはり歴史によってかなり異なる模様です。「エジプトが大阪ならシリア(特にダマスカス)は奈良だね」という話を最近聞きました。国民性や街の雰囲気がなんとなくわかるような気がします。 ちなみに、榛葉議員がシリアに注目している理由は、【イラク戦争後の中東】という観点からです。 つまり、イラクがこのような状態になりましたが、中東という地域は隣国や“対立国”(互いを滅ぼしたいという根源的な対立ではなく、互いのやり方を批判しあうことによって国内的結束を高めるという意味での相互依存的な“対立”)との関係や環境によって大きく揺らぐ地域なので、シリアは今後の日本・アラブ関係を築く上で非常にマグニチュードを持つことになる国だから、とのことです。もっとも、どうやら日本の外務省の熱意はそれほどでもなさそうですが…。 もう一つの理由は、【中東和平】の観点からです。 ここ数年、議員は少なくとも年に一度は中東を訪問するようにしていますが、それは各国で同じ30代、40代の若手政治家とネットワークを作っていくことによって、あたかも所与の現実であるかのように膠着化してしまった中東問題を、日本との外交関係の発展につながるような形で問題解決していく力になりたいと考えているからです。 さて今、手元にある高校生用の世界史の教科書をぱらぱらと見ると、一番最初にシリアの文字が見つかるのはなんと、前16世紀に新王国となったエジプトの支配が及んだ、という記述からです。その後、ダマスカスは隊商貿易(キャラバン)の中心地として栄えます。ラクダでオアシスを転々とする、あのお馴染みの姿ですね。その後13〜14世紀になってくると、モンゴル帝国がユーラシア大陸のほぼ全域を治めて交通が発達し、東西の文化的・経済的交流は一気に拡大しました。ダマスカスやコンスタンティノープル(現在のトルコのイスタンブール)は地中海への接続地点としてさらに繁栄していったのです。…今では残念ながらラクダではなく飛行機(ドバイ経由)で13〜14時間ですが。 その後は16世紀にオスマントルコ帝国の支配下に入り、第一次世界大戦でトルコがドイツ側について敗北した結果、シリアはレバノンとともにフランスの委任統治領となりました。 そしてフランスから1946年に独立し、現在に至ります。 政治的には、大統領に近しい者が要職を占める社会主義共和制とされています。 マクロ経済的に見ると、@モノカルチャーではなく農業、鉱工業、商業のバランスが取れている、A国営企業を主体とするが、経済構造や成長率はむしろ外的要因に依存している、B投資環境や金融制度が弱点。また、中東諸国の例に漏れず人口増加率が年3%にのぼるので、雇用創出や国民所得水準引き上げが課題です。一方、識字率は100%に近いのですが、一般国民の教育レベルが必ずしも高いというわけではなく、エリート層=支配層と一般庶民に二分化しているとのことです。 ちなみに、シリアとイスラエル間の和平交渉は、中東アラブ諸国とイスラエルの関係においても非常に重視されています。が、この二国間交渉をどう進めるかは、それぞれの国の政治家の思惑と手腕、そしてアメリカの行動にかかっています。 最後に、シリアは現在の世界政治の中でどういうパフォーマンスをしている国か、という観点から少し見てみましょう。 ■イラク戦争ではアメリカの立場をダブルスタンダードと批判し、「イラクは大量破壊兵器の国連査察を受け入れなければいけない」と武力行使には反対し、査察継続を主張した。が、安保理非常任理事国としては、最終的には賛成票を投じた。 ■イラクとは、イラン・イラク戦争(1980-1988)以来国交を断絶していたが、経済関係では緊密化している。 ■対米関係は重視せざるを得ないので、対テロ戦争や中東和平などにおいて、互いのメリットになりうるカードを常に何枚も保持し、“シリアは小国だが弱くない。シリアに手を出すと中東地域が大変なことになる”という自画像を作っている。 ■クルド人問題を抱えている点では隣国のトルコ、イラクと同様。イラク国内での動きによって影響を受けざるをえない。 ―――と、いくつかポイントを挙げてみましたが、なかなか存在感のある国です。 詳しくは、帰国後の榛葉議員からの「本編」を待ちましょう。 |
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