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コラム  
2008/01/25 (No.88)
「道路建設 vs ガソリン値下げ?@」


 いよいよ第169回通常国会が始まった。今国会の最初の争点は、やはり “道路特定財源の一般財源化”と“ガソリン税等の暫定税率廃止”だろう。 新聞やテレビでは「財源を維持して道路を作る自民党」VS「暫定税率を廃止 してガソリンを25円安くする民主党」という短絡的な報道が目立つ。しか し、これは、単純な二者択一の問題ではない。実は、財政再建、地方分権、 税の配分、納税者への説明責任など、“国のかたち”の方向性を左右する大 議論なのだ。数回に渡ってこの問題を考えてみたい。

 「道路特定財源」は1954(昭和29)年に創設された。当時は戦後復興の途 上であり、道路整備は喫緊の課題であった。当時の吉田内閣が「道路整備臨 時措置法」を成立させ、1リットル当たり13円を「揮発油(ガソリン)税」 として徴収し、道路建設の予算、つまり「道路特定財源」に充てたのが始ま りだ。「臨時措置法」は後に「緊急措置法」に代わるが、文字通り「特定財 源」は“臨時”又は“緊急”の措置だった。しかし既に54年間も続いている のだ。

 また、1974(昭和49)年、高度経済成長の中で「日本列島改造論」を唱え た田中角栄首相は、「暫定税率」として本来の税率を引き上げた。これは、 道路財源の確保だけでなく、“石油危機”に伴う物価高騰の中で石油消費の 抑制も狙っていた。これも当初は、2年間だけの、正に“暫定”税率の約束 だった。だが、その“暫定措置”も既に34年続いている。

 加えて、ガソリン税だけだった「道路特定財源」も、気が付けば、自動車 取得税、自動車重量税、地方道路税、軽油引取税、石油ガス税にまで広がっ た。「暫定税率」に至っては、ガソリン税は本来の税率の2倍に、自動車重 量税は2.5倍に増税された。その結果、道路特定財源は、昨年には5.6兆円も の規模になっている。

 「1リットル150円のガソリンの内、53.8円がガソリン税で、その内、25 .1円が“暫定”の上乗せ分。ガソリン本体の価格は約87円。加えて、ガソリ ン税にも消費税を5%課す二重課税をしている。道路特定財源の一部は既に 一般財源化され、道路整備以外に使っているのだから、当然、“暫定税率” を廃止するべきだ」と納税者・自動車ユーザーの立場から主張する民主党と、 「まだまだ道路整備は必要。暫定税率を廃止すると年間2.7兆円の道路予算が 減る。国と地方の道路整備が大幅に遅れ、地域経済にも大きな影響を及ぼす。 “暫定税率”を10年延長して、56兆円の道路財源を確保すべきだ」と道路を 作り、使う側から主張する政府・自民党。どちらにもそれなりの理屈がある。 次回以降、更に考えてみたい。

 最後に、民主党と自民党の間には、税制に関する考え方そのものに根本的 な違いがあることを指摘したい。それは、税金に対する公平性・透明性と説 明責任だ。何故、自動車ユーザーから膨大な税金を取るのか。何故、複雑な 税制度を作り、暫定税率を数十年も続けるのか。何故、国民に判り易く説明 しないのか…。これまで表面化しなかった様々なことが「ねじれ国会」のお かげで注目されるようになった。自動車関係諸税と道路特定財源の問題はそ の顕著な例だ。




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