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コラム  
2008/03/19 (No.90)
「道路建設 vs ガソリン値下げ?B」


 「道路特定財源と暫定税率を堅持し、道路予算確保を」地元の市町村長、 地方議会団体等による陳情団や要望書が連日のように国会の議員会館にやっ てくる。また「地方はまだまだ道路が必要」といったビラを作成し、駅前 や街中で配布したり、“緊急決起大会”を開催したりしている。静岡県も 例外ではない。無論、行政が主導して“道路特定財源と暫定税率を堅持! ガソリン税の値下げ反対!”と主張をするのは自由だ。しかし、地方議会 を経験した者として、こうした動きには違和感を覚える。

 第一に、「地方の道路建設は未だ必要であり道路特定財源と暫定税率を 堅持すべし」が正論ならば、なぜ首長たちは「政府・与党が既に開始した 道路特定財源の一部一般財源化にも断固反対」と同じく主張しないのか。 「地方も含め道路建設はもはや十分」との理由で道路予算を毎年3%削減 し、道路特定財源の余剰金を道路以外に使っているのは、他でもない小泉 内閣以降の自公政府なのだ。地方に多くの道路建設が必要なら、なぜ首長 たちはこうした政府与党の方針に反対しないのか。

 第二に、今後10年間、道路特定財源と暫定税率を堅持するという与党案 を肯定する地方の姿勢は、自らが主張してきた「地方分権の推進」に真っ 向から矛盾する。地方への財源移譲や国の補助金行政の見直しを主張して いたのは誰だったのか?福祉や教育、医療には「特定財源」はない。地方 はこれらの財源にも苦労しているはずなのに、なぜ「道路財源だけは特別」 と言うのか。「ひも付き財源を一般財源化しろ」と陳情していた首長が「 道路予算は道路にしか使えないように縛ってくれ」と逆の陳情をしてくる。 国交省が用意したと思われる同じ書面に、僅か6名を除く全国の首長が署 名までしてだ。地方が気概を持って、こうした体質から脱却しなければ「 真の地方分権」は実現しないし、これこそが、霞ヶ関の官僚たちが地方を 見下す中央集権的行政を続ける温床となっているのではないか。

 第三に、深刻化する格差社会に苦しむ地域住民の生活にも首長は目を向 けるべきでないか。リストラや非正規雇用化で一般家庭の所得は減ってい る。一方、原油高騰による物価上昇は家計を直撃し、製造業や運送業だけ でなく、燃料高騰は、商業や農業など地域経済の死活問題である。「“( 暫定税率の廃止によって)ガソリンで25円/L、軽油で17円/L安くなる” という民主党の主張は大衆迎合だ」とする与党の訴えは、一般的な生活実 感からは乖離している。暫定税率廃止は納税者にとって2.7兆円の減税なの だ。

 その他にも、国交省の役人の天下り先に道路特定財源が不透明に支出さ れている実態や、地方自治体に一方的に課せられている国直轄事業の地方 負担金の存在など、問題点は数多くある。

 こうした中、自民党の津島税調会長は、「何が何でも10年間で59兆円の 道路予算を確保しろという自民党議員は少ないのではないか」と柔軟な姿 勢を示してきた。民主党が第一党の参議院で何らかの“妥協点”を見出そ うとする発言のようだが、納税者側の視点を忘れた議論は絶対に許されな い。





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