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コラム  
2008/04/21 (No.91)
「もう一つの暫定税率〜自動車重量税〜」


 間もなく大型連休だが、国会では、政府与党が、ガソリン税の暫定税率復活 を目指し、関連法案の「再可決」を連休最中の4月29日以降に行うかどうかが焦 点となっている。憲法59条は「衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決 をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したとき は、法律となる」という、いわゆる“2/3ルール”を規定している。そこで 政府与党は、野党が過半数を占める参議院で法案が否決されれば、直ちに、与 党が三分の二の議席を占める衆議院で再可決し、ガソリン税の暫定税率を復活 させることをもくろんでいるのだ。

 では、野党が参議院での審議をずっと続ければ再可決を阻止できるのか?答 えは否だ。同59条は“衆議院が可決・送付した法案を参議院が60日以内に決議 しない場合は、参議院がその法案を否決したとみなすことができる”旨も規定 する。いわゆる“60日ルール”だ。つまり、法案が衆議院で可決された2月29日 から60日後の4月29日以降に、参議院で続く審議を無視して衆議院で再可決しよ うとしているのが今の政府与党なのだ。

 「いくら自民党でも、自動車を多用する大型連休の最中にガソリン税を再増 税することはしないのでは」という声もある。しかし、私は「必ずやる」と思っ ている。なぜなら、一般に殆ど知らされていない、「自動車重量税」の“もう 一つの暫定税率”の期限切れを自公政府は恐れているからだ。

 車検が高いと感じるドライバーも多いと思うが、実は、車検料が高いのでは なく、車検の際に納める自動車重量税が高いのだ。自家用車の場合、本来の税 率の何と2.5倍の暫定税率が自動車重量税として掛かっている事実をご存知だろ うか!

 自家用乗用車の自動車重量税は、本来の税率では、0.5トンあたり2500円であ る。しかし暫定税率によって、実際にはその2.52倍の、0.5トンあたり6300円と なっているのだ。加えて、繰り上げて計算するため、例えば、ホンダのフィッ ト(1.1トン)は1.5トン、トヨタのクラウン・マジェスタ(1.67トン)は2トン、 日産のエルグランド(2.02トン)は2.5トン分の課税となる。更に、新車の場合、 3年分を登録時に徴収するため、フィットは6300円×1.5t×3年=5万6700円、 クラウンは6300円×2t×3年=7万5600円、エルグランドは6300円×2.5t×3年= 9万4500円の重量税となるのだ。

 この自動車重量税の暫定税率が4月30日に期限切れとなる。つまり再可決が無 ければ、5月1日以降に新車を購入したり、車検を受けたりする場合、暫定税率 がなくなるので、新車では、フィットで2万2500円(3万4200円の減税)、クラ ウンで3万円(4万5600円の減税)、エルグランドで3万7500円(5万7000円の減 税)となるのだ!

 1リットル25円のガソリン減税に加え、自動車重量税の暫定税率失効による 大減税は、納税者には朗報だが、徴税側の「役人論理」では全くの悪夢なので ある。しかも、公明党は先の参院選マニフェストで「自動車重量税の暫定税率 引き下げ」を公約している。今や公明党に“おんぶに抱っこ”の自民党は、国 民がこの自動車重量税のカラクリに気付く前に、衆議院での再可決で二つの暫 定税率を復活・継続させようとしているのだ。この問題を含め、福田内閣は今 こそ、解散総選挙を行って、納税者たる国民の信を問うべきだ。





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