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Q1 今の季節は日本では冬だけれど、イスラエルは?

【レウットの答え】

今は日本と同じ冬だけれど、冬といっても比較的に温暖な季節です。冬といえば冬ですが、日本ほど寒くないし晴れの日も非常に多いです(例えば、寒がりの私が日本でいつも着ている暖かいコートをイスラエルで着たことがありません)。そう言っても、大切なポイントはイスラエルがとても小さい国でも、地理的に様々な地域があります。その結果地域によって気候はぜんぜん違います。一番目立つ例は南北です。

北の方(ガリリとゴランという所)に緑と水域が多いです(有名なキネレト湖はガリリの辺にあって、ヘルモン山はゴランの辺にあります)。そして、比較的に涼しい地域です。冬は雨量も多いし、(たいていゴランの方で)雪も降っています(エルサレムでも冬がたまに降っていますけれども、一般的にイスラエルでは北のほうでしか雪が降りません)。夏も比較的に涼しくて、乾燥して、気持ちが良いです。

裏腹に南の方は(ネゲブという所とエイラットとかベエルシェバーという町の方です)砂漠の気候です。昼間が非常に暑い割に、夜がとても寒いです。雨はめったに降らないので、土地がかさかさしています。そうしたら、六時間ぐらい車で行ったら、川と花がたくさん咲いているきれいな景色を味わってから、のどかな砂漠を楽しむことが出来ます。

基本的にイスラエルの気象について話すと、暖かい国だといえます。地中海性気候です。つまり、比較的に温度も暑いし、雨が夏にあまり降らない一方、冬にはよく降っています(雨季は11月から3月までです。乾季は6月から8月までになります)。でも日本の梅雨のような季節がまったくありません。雨季にも毎日雨が降っているわけではなく、降る日もあるという感じです。たいてい暖かくて、晴れです。冬は温暖で11月頃から2月頃までです。一番寒い月は1月で平均気温が5℃〜10℃になります。最低平均気温は2月に、テルアビブとスデードブで9℃、エルサレムでは4℃(www.geographyiq.com/countries/is/Israel_climate_c.htm) 。夏はとても暑くて、4月中旬頃から10月頃までです。一番暑い月は8月です。平均気温が18℃〜38℃。最高平均気温は7月と8月に、テルアビブとスデードブとエルサレムで30℃(www.geographyiq.com/countries/is/Israel_climate_c.htm)。でも、もちろん、もっと暑いか寒い日もあります。

日本のように四季がありません。秋と春はとても短くて、日本のようにはっきり区別できません。たいてい暑いか寒いかです。

私が住んでいるテルアビブはたいてい暖かいです。冬はそんなに寒くないです。雨が降っていますが、とても寒いとはいえません(寒さに慣れていないイスラエル人にとっては寒いけれど…)。春はとてもきれいですけど短いです。たいてい、早くとても暑くなる上、ちょっと東京みたいに蒸し暑くなります。でも、もしエルサレムに住んでいる友達に会いに行くとしたら、冬はいつもと違って、もっと厚着して行くかもしれないし、夏だったら、テルアビブにいる時ほど薄着しません。ちょっと長野県みたいですね。エルサレムはもっと高いところにあるし、山に囲まれているので、もっと寒いですから、冬がもっと激しいのに対して、夏の間涼しい風が吹いて、心地よく感じられます。

最後に、イスラエルに独特な天気の現象があります。「シャラブ」か「ハムシン」といいます(5月から6月中旬までと9月から10月までです)。シャラブの日はとても暑いですが、非常に乾燥しています。そういう日に日差しがじりじりして、ほっぺたから暑さが出る気がします。乾燥のあまり、汗がすぐ蒸発するので、のどが乾かなくても水分をとらないといけません。目が覚めると外を見たら、空気が赤く見えることもあります。なぜかというと、シャラブはアラブ砂漠から吹いている乾燥した風に起こされますから、風の中に混じっている赤やオレンジ色の砂の量が増えると、空気の色まで変わって見えるのです。

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【かづやのコメント】

イスラエルを初めて訪れてわたしが驚いたことは、イスラエルがまさに「地球の縮図」であるということでした。レウットさんのいうように、南部のネゲブに行けば見渡す限り一面の砂漠。シリアと国境を接するヘルモン山に行けば雪景色。紅海に面したエイラットでは痛いほどの日差しで、一年中冷房が欠かせない一方、地中海に面したテルアビブ、ヤッフォ、ハイファ、アコといった港町は典型的な地中海性気候でギリシャの島々を想わせます。イスラエルの国土は日本の四国ほどの面積しかありませんから、国中どこへ行っても日帰りができます。すなわち、大袈裟な言い方でなく、朝、南で海水浴をして、夕方、北でスキーができる・・・これがイスラエルの気候のダイナミズムです。

イスラエルは大きく分けて「雨季」と「乾季」に分けられます。イスラエルでは、ユダヤ教の仮庵の祭(スコット)が終わった10月の終わりから11月の始め頃にかけて雨季に入ります。乾ききった聖地に恵みの雨をもたらす、生命救済の「雨の季節」は4ヶ月ほど続きます。しかし、2月が終わり、雨季が去ると、次の年10月まで一滴の雨も降らなくなります。それは、冬の終わりを意味し、暑く、長く、厳しい「乾きの季節」の到来を意味します。

イスラエルの人々は、皆「雨」を心待ちにしています。テルアビブ大学の学生寮に住んでいたころ、こんなエピソードがありました。当時私は寮の3階の部屋に住んでいました。その部屋の窓から顔を出し、外にいる友人に声をかけようとした時、降ってきたではありませんか!待望の雨が!!「おーい!みんな!雨だ!雨だぁぁぁー!!」ところが、思わず叫んだわたしをみんなが大爆笑しています。なんとそれは、雨ではなく4階の学生が干していた洗濯物の滴でした・・・。このドジな事件は9月のこと。ちょっと雨季には早かったのですが、この出来事から友人が「シンバもイスラエル人の気持ちがよく解かるようになってきたなぁ」と言われるようになりました。

年間降水量が極めて少ないイスラエルでは、水をとても大事にします。イスラエルでは水も平和も高いコストを払ってやっと手に入れることのできるものなのです。イスラエルの家庭では、シャワーを浴びる時も、洗濯をする時も、皿を洗う時も一滴一滴の水を大事にします。国営放送からは節水を呼びかけるCMが頻繁に放送されるし、キブツに代表される農場では、地面の中に穴の開いた特殊なパイプを張り巡らせて作物の根に直接水を与える方法などがとられています。無駄な水分が地面に吸収されずに、「水効率」を高めるための工夫です。イスラエルで研究・開発されたこの散水手法は、現在世界各地で活躍していますが、実は日本のゴルフ場などでも使われているようです。

へブライ大学大学院時代に暮らしていた、エルサレム市内にあったわたしの"オンボロ"アパートでは、水道の蛇口をひねると白く濁った水が申し訳なさそうにチョロチョロと出るだけでした。丘陵の多いエルサレムでは水圧が弱くなり、濁りは石灰成分のせいです。イスラエルで使う鍋やヤカンは数ヶ月もすると底に石灰分がこびりついて重たくなるくらいです。酢を入れてこれを溶かすのですが、不精なわたしはそんなことしたことがありませんでした。そのためにイスラエルの人に尿道結石の患者が多いとも言われています。レウットのお母さんのルティさんは、わたしのイスラエルでのお母さんでもありましたが、そのルティさんに「オリーブを食べなさい。お腹の中をきれいにしてくれるから」と教えていただきました。そのおかげか、3年間イスラエルの水道水を飲み続けたわたしの身体に未だに石は溜まっていないようです。

「水」に対する日本とイスラエルの価値観のギャップが、わたしにとってとてもよい勉強になりました。イスラエルを引き揚げ、日本(成田空港)で入ったトイレの便器の中にある透明で美しい「水」を見て「日本は豊かだなぁ〜」とつくづく思いました。土地の気候風土が、歴史や宗教、政治、文化、そして人々のメンタリティーに至るまで、大変大きな影響を与えていることを改めて感じさせられました。



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