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Q44  ユダヤ人の一生  4)結婚式

【レウットの答え】

<結婚前>

結婚式を行うのに、まず相手を見つけるのは必要でしょう。普通、イスラエルのユダヤ人は日本と同じように、パーティーや大学などを通じて相手に会ったこり、ブラインド・デート(インターネットとか共通の知り合いなどを通して一度も会ったことがない人とのデート・・・)で、会ったりすることが一般的なようです。夫婦がどうやって出会ったのかという話は、それこそ十人十色です。けれど、巡り合いだけではなく、日本の見合いに似ている習慣もあります。

敬虔なユダヤ人は「シデゥー」という“見合い”をやっています。ラビかマッチ製造業者か他の人は、女性と男性との紹介をするのです。ちょっと現在のブラインド・デートみたいです。会ってみて気が合わなかったら、付き合いを続けなくても良いです。けれども昔は、ラビの場合、“夫婦”と決めたら、女と男が一度も会うことがなくても、結婚しなければなりませんでした。ラビがおっしゃったことは神聖なので、ラビが決めたからには、結婚するしかなかったのです。もしかしたら今でも、もっと厳しい敬虔なユダヤ人のコミュニティではそういうことがまだあるのではないでしょうか。

そういえば、イスラエルでも、日本と似ていて、結婚する年齢がだんだん上がって行く一方です。女性は過半数が20代の終わりに結婚して(30代での結婚する女性も多くなって来ました)、男性はもっと遅く結婚しています。

結婚することにしてから、婚約式を行う人が多いです(私はそういう式に参加したことがないけど)。というのは、婚約者は相手に結婚すると約束します。何か世界にもう独身じゃない、もう他の人と付き合わないと示すためみたいです。

その他、結婚する前に、いろいろな宗教的な儀式のようなことがあります。一番有名なのは「ミクベー」だと思います。ミクベーは井戸に似ている儀式的なお風呂です。ミクベーに入るのは悪いことや汚らわしいことを振り放して、純粋になるためです。体がきれいになるというより、魂についてしまった汚れをなくして、精神的に純粋になるわけです。そういえば、ユダヤ教に「トゥマー・ヴェ・トハラー」=「純粋と穢れ」、という文化があり、宗教上とても重きを置いています。この文化によると、どの場合に穢れがつくかとか、どうやってもう一度純粋になるかなどについて、いろいろな説明と指示があります。

その中の一つは女性の生理のことです。女性は月ごとに生理があるせいで、ユダヤ教によると純粋じゃなくなってしまうので、敬虔なユダヤ人の女性は少なくとも毎月生理が終わってから、ミクベーに行きます。結婚する前は、敬虔なユダヤ人に限らず、どのユダヤ人の女性でもユダヤ教のルールによると純粋な花嫁になるためにミクベーに入らなければなりません。私の両親は日本で結婚して、その時日本にミクベーがわずかしかありませんでした。東京にもなかったので(今はありますが)、当時、東京に住んでいたお母さんはわざわざ神戸に行かなければなりませんでした(敬虔なユダヤ人ではなくても、行かなければラビは結婚式を行いませんでしたから、しかたがありませんでした)。想像以上に深かったので、お母さんは大変びっくりして、ミクベーの底につかなかったという恐ろしいですけどおかしい思い出が残っています。こうして、穢れをすべて清めた女性は、花嫁に行けるようになるのです!


<結婚式の祝い方>

相手との出会い方だけでなく、一般的なユダヤ人と敬虔なユダヤ人の結婚式の祝い方もちょっと違います。敬虔じゃないユダヤ人の場合、日本と同じようにまず伝統的な儀式を行って、それからパーティーをやります。伝統的な儀式は、ユダヤ人なら、どこの国でも同じようにやります。もちろん、国によってちょっと変わって来るかもしれませんが、基本的に同じです。けれども、その後のパーティーのやり方などは国によってだいぶ違います。全体的に見て、アメリカ人のユダヤ人とイスラエル人のユダヤ人の結婚式はだいぶ違いますね。基本的なユダヤ教徒の結婚式ということで、イスラエルでの結婚式はどんな感じかを説明したいと思います。

イスラエルでは、儀式とパーティーを同じ場所で行って、友達と家族と祝います。最近の日本の結婚式と比べると、大勢で祝っているように思います。例えば、家族だけでも、核家族だけではないので人数が多いですし、さらに多くの親戚、だいぶ遠い親等まで来るし、学生時代、軍隊時代、大学時代の友達も来るし、両親の友達も来るし・・・何百人にもなります。それで、小さいレストランではなく、たいていとても広くて大きい会場で行います。


<伝統的な儀式>

まず、伝統的な儀式を「フパー」の下でやります。
フパーというのは、四本の棒に結んでいる布という意味です。花嫁と花婿の友達が棒を持ちます。(最近になって、伝統的なルールに反して一時的なフパーの代わりに、人が持たずに土地に固定することもあります)。そして、その布で小さいテントみたいなものが作られます。友達と家族に囲まれて、フパーの下に花嫁と花婿と二人の両親とラビが入ります。最近になって兄弟も入るようになりました。

イスラエルには、日本のとてもきれいな打ち掛けのような伝統的な衣装がなくて、花嫁は洋風の白いウェディング・ドレスを着て(そして、日本と違って、着替えなしにずっと同じドレスを着ています)、花婿は燕尾服を着ます。ただ、フパーに入ると神聖な儀式が始まりますから、前に描写した帽子みたいなキッパ−もかぶります。結婚する夫婦の家族は好きなように装います(たいてい結婚式のために新しく買った服を着ています)。

フパーに入ってから、ラビの指導によって儀式が始まります。
決まった祈りの他にも、ラビが自由な話をしますから、ラビによって、儀式はちょっと変わります(まじめなラビもいるし、ユーモアのあるラビもいます)。けれども、次のことは必ず儀式に含まれます:

(1)まず、花婿が自分で買った指輪で花嫁を祝福します。その時、ラビはいつも花婿が本当に自分のお金で指輪を買ったのかと聞いています。そうじゃなかったら、認められませんから・・・。

(2)次に、ラビは「クトゥバ」を読みます。クトゥバは結婚の契約書みたいな伝統的な紙のことです。この“契約”で花婿が花嫁にいろいろな約束をします(例えば、扶養してあげることなどです)。フパーに入る前に花婿はクトゥバにサインして、花婿が花嫁の世話をするという証拠をあげるため、ラビはクトゥバを皆の前で読んで、花嫁に手渡します。

(3)それから、ワインでまた祝福して、花嫁も花婿も同じ杯からワインをちょっと飲みます。

(4)最後に花婿はガラスかプラスチックのコップを、勢いをつけて踏んで壊します。なぜかと言うと、ガラスを割るのはユダヤの神殿の破壊を象徴します。ユダヤ教では、非常に有意義なことをいつまでも忘れないように、うれしい結婚式の時も記念のために行います。コップを踏み壊すことができた花婿を応援するみたいに、周りで皆がうれしい声をあげて、うきうきしている音楽も流れ始めて、夫婦によっては口付けあって、それで儀式は終わります。コップを割ったことで、花嫁と花婿が既婚者になったというわけです。実はラビではないといけないというわけではありません。ユダヤ人二人が、証人として式に参加したら十分です。といっても、ラビが参加した方が当然重視されるので、イスラエル人の過半数はラビか指導する結婚式を行っています。

(5)そうすると、次のパーティーに移ります。


<宗教的ではない結婚式>

パーティーについて説明する前に、別の大切なポイントについてお話します。
最近になって、宗教的じゃない結婚を行いたいという人が多くなりました。区役所に行って、既婚の夫婦として登録だけをすることです。なぜかと言うと、重要な理由が二つあります。

一つには、敬虔ではないユダヤ人の中には、宗教的な関心は薄くても習慣的な部分では受け入れいてユダヤ教的な結婚式を挙げる人もいますが、それに対して、宗教的な儀式には一切のっとりたくないとう人もいます。

もう一つの理由は、ユダヤ人じゃない人と結婚する場合です。ユダヤ教のルールでは、ユダヤ人同士じゃないと結婚できません。その場合、人によってはユダヤ教に改宗しますが、改宗するのはとても厳しい手続きが必要ですし、改宗したくない人もいます。ですから、改宗しなくても結婚できるように、宗教的じゃない結婚式を望む夫婦もいます。しかし、イスラエルの法律上、そういうことが出来ません。それで、仕方なくギリシャとか、キプロスに行って結婚式を挙げる夫婦が多いです。

それで、イスラエルでも宗教的じゃない結婚が行えるように、国会でよく議論しています。法律を変えるべきだと訴えている人がとても多くて、デモなどいろいろな活動をやっています。現在のイスラエルで、この問題は大きな関心を持たれています。

<(伝統的な儀式の後の)パーティー>

会場にはテーブルがたくさん用意されています。
フパーの式典が終わってから、お客様はあらかじめ決まった席につきます。結婚式はたいてい夕方に行いますから、皆で晩ご飯を食べます。給仕してもらうスタイルもあるし、ビュッフェ風の時もありますが、会場や、料理を担当する会社によります。
(味もそうですね。残念ながら本当にまずい料理が出された結婚式に何回も行ったことがあります。おかしい・・・)。

料理が出てくるとともに、活気のある音楽が聞こえ始めます。皆でダンスをするのです(もちろん、やりたい人だけですね。無理やりしません・・・)。そういえば、ダンスを見たら、すぐ敬虔なユダヤ人の結婚式か一般のユダヤ人の結婚式かとすぐ分かります。違いが明らかに見えます:一般的なユダヤ人の結婚式であれば、皆で楽しく踊っているのに、敬虔であれば、男性と女性はお互いに触ってはいけなので、ダンスをすると触る恐れがありますから、男女で別々に踊っています:同じフロアでもグループを二つに分けるか、壁みたいな物で区切ってダンスをやっています。

ダンスをしないお客様は、テーブルの周りに座って他のお客様と喋っています。特にダンスをしないお客様にとって、音楽はちょっとうるさい場合もありますが、うるさくても非常に幸福な雰囲気になります。皆はたいてい夫婦の両親でさえも、結婚したての夫婦を喜ばせてあげるために、とても幸せに、遠慮とか恥を忘れて、ダンスをします。そのあとで新婚夫婦はそれぞれのテーブルをまわって、お祝いに来てくださったお客様に感謝しながら、話をします。会場にはカメラマンもいて、普通のビデオに加えて、編集された短いバージョンも作ることが多いです。
結婚式によってはいろいろと創造的なものもあります:クラシック音楽の楽団や、綿菓子の機械や、花火を上げる結婚式もあります!(お金持ちの結婚式ですけどね)。

こんなふうに、たいてい夜更けまでお祝いを続けて、お客様は勝手な時間に帰ります。日本と違ってお客様にプレゼントとか交通費などを渡す習慣はまったくありません。イスラエルでは、結婚式の中心は、新婚夫婦にとってとても大事な日を一緒に幸せに過ごすことなので、お祝いに来たお客様の側だけがプレゼントをあげます(現金、食器、家具など)。なかには、参加してくださったお客様に感謝する手紙を送る新婚夫婦もいますが、全員ではありません。

それから、新婚旅行に行く夫婦は多いです(たいていアメリカと違って、結婚式が終わったとたんに行くのではなく、翌日か次の次の週などに行きます)。ヘブライ語で「イェラー・ドバシュ」=「蜂蜜の月」と言います(過半数は一ヶ月の休みが取らないのに・・・)。主に海外旅行ですが、イスラエルの南方にあるとても観光的なエイラットという町に行く夫婦も非常に多いです。それから、既婚の生活が始まります!結婚したばかりの皆、頑張ってください!





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